春になるとあちこちで木々が芽吹き、野山に花が咲き、土の息吹に生命力を感じます。
寒い冬を乗り越え、光に満ち溢れた新しい希望のドラマの中で、一際目を引くのが「たんぽぽ」です。
そんな、たんぽぽの花言葉がとっても素敵なんですよ!
今回は、この素朴で優しいのに、実に健気でしなやかな「たんぽぽ」のお話し。
どうぞ、この「たんぽぽワールド」に最後までお付き合い下さい。
たんぽぽの花言葉
花言葉をご紹介する前に、まず、なぜ「たんぽぽ」っていうんでしょう。
考えてみると面白いネーミングですよね。
その由来についても少しふれておきましょう。
「たんぽぽ」の名前の由来には、諸説ありますが、ここではちょっと興味深いお話を、ひとつご紹介します。
江戸時代のたんぽぽの花名は、「鼓草(つづみぐさ)」と言いました。
ご存知、鼓(つづみ)は日本伝統の楽器です。
たんぽぽの茎の両端を細かく裂くと、反り返って鼓のような形になることから、鼓をたたく音の「タンタン」「ポンポン」という擬音語が語源となり、植物もやがて「たんぽぽ」と呼ばれるようになったといわれています。
英語では「ダンデライオン」といいます。
これは「ライオンの歯」という意味で、葉のギザギザがライオンの歯に似ているところからきたそうです。
それでは本題の「たんぽぽ」の花言葉を調べてみましょう。
それが、色々あるんです。しかも少しずつ違うんです。
- 「愛の神託」「神託」「真心の愛」「別離」という説
- 「愛の神託」「神託」「誠実」「幸福」という説
- 「真心の愛」「愛の神託」「神のお告げ」「思わせぶり」という説
- 「幸せ」「神託」「恋占い」「実直」という説
- 「真心の愛」「愛の神託」「神のお告げ」「思わせぶり」「別離」という説
など。すべてを並べると「愛の神託」「神託」「真心の愛」「別離」「幸福」「思わせぶり」「実直」「誠実」「神のお告げ」と、とてもたくさんあります。
なぜ、「たんぽぽ」には、こんなにたくさんの花言葉があるのでしょうか?
一説によると、古い時代には「たんぽぽ」は「忠誠心」という花言葉だったようですが、恋占いが流行すると、「忠誠心」から→「真心の愛+愛の神託+神のお告げ」さらには→「真心の愛+愛の神託+神のお告げ+別離+思わせぶり」というふうに、どんどん意味が変化、追加されたそうです。
花言葉って、変わったり追加されたりするものなんですね。
たんぽぽの花言葉の意味
そんな花言葉の意味が、ちょっと素敵なんです。
特に「愛の神託」と、「別離」のふたつのエピソードをお話ししましょう。
「愛の神託」
「愛の神託」について、ヨーロッパでは古くから、たんぽぽの綿毛で占う花占いがあります。
「好き、嫌い、好き、嫌い…」と唱えながら綿毛を吹いて、最後の綿毛がどちらになるかという恋占いです。
たとえば、一息ですべての綿毛を飛ばすことができれば「とても愛されている。」少し残れば「少しこころが離れている。」たくさん残ってしまえば「関心を持ってくれていない。」という恋占いだそうです。
この恋を神に委ねる、託すということから「愛の神託」という花言葉が誕生したのです。
では、もうひとつ、「別離」の花言葉の意味をお話ししましょう。
とても素敵な「たんぽぽと南風の物語」です。
「別離」
あるのどかな春の日、南風は野原で、美しい黄色い髪の少女をみつけました。
そしてたちまち、その少女に恋をしたのです。
その少女は「たんぽぽ」です。南風は少女に会いたくて、自分の気持ちに気づいて欲しくて、毎日毎日、とてもとても長い間、その少女をただずうっと見つめ続けていました。
それから時は過ぎ、無情にも少女の髪は白く変わり、いつしか少女は老婆になってしまいました。
南風は悲しくて悲しくて、大きなため息をついたのです。
するとどうでしょう~。
そのため息に飛ばされて、白髪の老婆になった「たんぽぽ」は、あっという間に消えてしまいました。
素敵な悲しい恋の物語ですね。これが「別離」という花言葉のエピソードです。
たんぽぽの在来と外来の見分け方
たんぽぽと言っても、日本には、在来(日本たんぽぽ)と、外来(西洋たんぽぽ)があります。
在来たんぽぽは、3月の終わりから5月下旬に花を咲かせ、外来たんぽぽは、夏以降でも見られるたんぽぽで、年中花を咲かせます。
では、日本たんぽぽと、外来西洋たんぽぽの見分け方についてお話ししましょう。
簡単な見分け方は、上のように日本たんぽぽ(在来)は、ガクのように見えるところ、総苞片(そうほうへん)が、しっかりしぼんでいて、上を向いています。
外側に反って下を向いているのが西洋たんぽぽです。
また、横に反っているのは在来種と外来種の雑種の可能性が高いようです。
現在では、日本たんぽぽをみつけるのは至難の業で、ほとんどが西洋たんぽぽだそうです。
まとめ
今回は、「たんぽぽの花言葉が素敵!その意味は?在来と外来の見分け方は?」
についてお話してきました。
たんぽぽの花言葉はたくさんありますが、そのルーツは「忠誠心」から変わったり、増えたりしたものでした。
中でも「別離」の花言葉の意味には、甘く切ない物語がありました。
在来と外来のたんぽぽの見分け方は、ガクのような、総苞片の向きでした。
それにしても、たんぽぽの咲く野原を、最近見てないなあ~と思いました。
子供の頃はよくたんぽぽを摘みながら、道草をして遊んだものですが、今ではそんな野原には新しい家が立ち並んでいます。
最近、話題のアニメ、漫画の鬼滅の刃で登場人物の
我妻善逸(あがつまぜんいつ)をなぜ竈門禰豆子は、
珍妙なたんぽぽだと思っているのか?
最後の表紙?に描かれている善逸の後ろになぜ、
たんぽぽが写っているのかが気になり、調べて
こちらのページを見させていただいたところ、
このような意味を持っていたことが分かりました。
本当にありがとうございました。