以前、鉄筋のマンションに住んでいた時には、毎年冬の朝になると北側の窓が結露でびっしょりになって、毎朝バスタオルを何枚も使って拭いていました。
現在は持ち家で、築26年近くになる木造の一軒家の2階に住んでいますが、結露で悩んだことは一度もありません。
いったい何が違うのか、きっと「結露」で悩んでいる方も多いと思います。
今回は、結露はなぜ起きるのか?その原因や発生条件に迫ってみましょう。
対策方法も紹介しますよ!
結露の起きる原因
先ず、「結露」ってなぜできるのでしょうか?結露の起きる原因について、調べてみました。
急に温度が下がると空気中の水蒸気が水になる。これが結露という現象です。
なぜ空気の温度が下がると結露が発生するのでしょう。それは、空気は温度が高いほど多くの水蒸気を含むことができます。
それが急激に温度が下がると、水蒸気を含むことが出来なくなります。
追い出された水蒸気が「結露」として発生するのです。
<結露 説明図>
例えば、温度20℃で湿度50%の室内における露点温度(水蒸気を含む空気を冷却したとき、凝結が始まる温度)は、9.6℃であり、壁や窓などの表面が、9.6℃以下の場所で結露が発生するということになります。
温度の差が「結露」の原因のようですね。
冬は外気の温度が冷えていて、屋内の温度が高いため、夜中に急激に冷えた空気が「結露」をつくりあげるようです。
表面結露を指す。
最も多い事例は、冬季、窓ガラスやアルミサッシで発生する結露である。
発生原因は、居住者のライフスタイルに起因することが多い。
開口部に断熱性能の高い、複層ガラスや断熱サッシなどを用いると開口部付近での表面結露は起こりにくくなる。引用元: Wikipedia
結露の発生条件と時期
結露の発生条件
では、次に発生の条件を見ていきましょう。
- 湿度が高い
・換気していない部屋
・水周りに近い部屋
・洗濯物の部屋干し
・石油ストーブやガスファンヒーターを使用している
・加湿器の過度な加湿 - 温度が低い
・窓枠や窓ガラスなど、外気に影響される場所
・押入や家具の後ろなど、暖房の熱が届かない所
室温と湿度がわかれば、結露する温度がわかります。
次のグラフで、室温が20℃で湿度が60%(赤のA)の場合は、100%の露点の交差点(赤のB)で、下の温度を見てもらうと12℃で結露ということになります。
<露点温度グラフ>
このグラフでわかるように、温度が低く湿度が高いほど発生しやすくなります。
結露の発生時期
時期についてはどうでしょうか?
冬場と夏場に結露は起こります。
冬場は「表面結露」、夏場は「内部結露」といいます。
冬は換気をしないので、家の中の水道や台所から発生する水蒸気、人の呼吸に含まれている水蒸気が原因となっています。
外気が冷たくそれが窓ガラスを冷やし、部屋の中の水分がガラスにつくとそれが水滴となるという最もオーソドックスな結露です。
夏は湿気が多く、また換気の機会も多いので外部から水分が侵入して結露の原因になります。
地下室などが結露になりがちですが、もう一つ冷房が効いている部屋の横隣の、冷房の効いていない部屋の壁内部に結露が発生することがあります。
結露の対策方法
「結露」はダニやカビの原因にもなりますし、喘息や気管支炎などの健康面のリスクも高まります。
放置すると怖い「結露」ですが、たいさくについてお話ししますね。
結露の対策は2点です。
①換気と除湿
湿気が多いと感じたら、換気扇を回したり、晴れた日に頻繁に窓を開けることです。
ここでは、特に結露が起きやすい場所の対策です。
キッチン
換気扇をこまめに回しましょう。
お料理で水蒸気がでたり、煙が出たりするときは特に長めに回してください。
シンク下の収納場所などにはカビが生えやすいので、晴れた日などに、時々扉を全て開けて中を乾燥させましょう。
バスルーム
バスにお湯を入れたままだと、湯気で室内にカビが繁殖しやすくなります。
できるだけお湯は早めに捨てたり入浴後は、換気をしましょう。
わが家は冬以外の晴れた日は、バスルームの窓は常に開けています。
すると換気の電気代が浮きますし、カビも生えにくくなります。
それと、キッチンでお茶碗などを漂白した後の漂白剤の入った水は、バスルームの床に撒きながら捨てます。
これで今まで、床のカビのお掃除はしたことがありません。
押し入れ
晴れた日には、押し入れの戸は半開にして中に空気を通します。
湿気がある場合は扇風機を押し入れに向けて回したり、除湿器を運転させてください。
特にストーブやファンヒーターなどの蒸気の上がる暖房器具を使うと、押し入れの中の空気との差が出来て、結露の原因になります。
洗濯物の部屋干し
冬の間は乾燥を防ぐために、洗濯物の部屋干しをするお宅が多いと思います。
その洗濯物が結露の大きな原因でもあります。
エアコンのドライ運転や除湿機などで調整しながら湿度を管理していってください。
寝室
寝室でも、眠っている間にひとの息で湿気が広がります。タイマーセットなどで、暖房の調節をしましょう。
②断熱・暖房
リビングなどの人が集まる部屋では、特に暖房を使います。
ストーブやファンヒーターなどの蒸気の上がる暖房器具を使うと、結露の原因になります。
エアコンに変えると結露は軽減されます。
断熱は、暖房費の節約にもなります。
断熱シートを窓に貼って、熱を遮断することで結露防止にもなります。
まとめ
「結露」は日本家屋にとっての永遠の悩みでした。
そのリスクも大きくて、カビや喘息の原因にもなっています。
住宅メーカーさんでは、その悩みを解決するべく色々な工法を産み出し、現在も研究が続けられています。
今回は「結露はなぜ起きる?原因と発生条件や時期は?対策方法も紹介!」についてお話してきました。
「結露」の原因は水蒸気と温度差でした。冬の「表面結露」と、夏の「内部結露」がありました。
対策方法は大きく言うと2つです。換気や除湿と、暖房や断熱です。
みなさんも、どうか生活の中で、意識して「結露」対策をして、快適な暮らしを手に入れてください。お役に立てれば幸いです。