お箸の種類と持ち方やマナー

古代の日本人は、稲作を中心とした農耕民族でした。
自然の中で自然と共存しながら生活してきました。
しかし、生きていくうえで自然の影響力はとても大きく、天候や災害が起こると生きていくことすらできません。
古代の人々はそれを神の怒りと捉え、住んでいる土地を自然災害から守ってくれるように神を崇め、信仰するようになりました。
それが神社の始まりですが、その神様に魚や野菜や果物をお供えしました。
神様にお供えする神聖な食べ物を直接手で直接掴むのは失礼だと考え、その橋渡しをしてくれる「箸」が生まれたといわれています。
つまり箸は神の魂が宿るとても神聖な物なのです。
また、自分の命のために、食材の命を頂くわけですから、食事の前の「頂きます」のあいさつも頷けます。
このように「箸」の役割は神と人々の橋渡しや、食材の命と自分の命の橋渡しをするものでもあるのです。

フクちゃんフクちゃん

今回はそんな「箸」についてお話ししたいと思います。
お箸の種類と持ち方について、そして誰もが知りたいお箸のマナーのこと、それから左利きの人にとっては、深刻な悩みかもしれませんが、お箸を左手(左利き)で持つのはタブーかどうか。など、お箸についてのお話。完全保存版です!

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お箸の種類について

生活の中で何気なく使われている箸について、よく調べてみると色々な種類があります。
思えば、私たち日本人は生まれてから生後100日目頃に「お食い初め」という儀式があります。
これは、子供が一生食べ物に困らない事を願い、赤ちゃんに初めて食べ物を食べるマネをさせる、初めてお箸を使う儀式です。
そして、人が亡くなった時には、故人が使っていた箸も一緒に荼毘に付す、という習慣があります。
また、「箸渡し」と言われる、死者を荼毘に付した後、木と竹を組み合わせた箸を使って、二人で骨を挟み、骨壷の中に入れる儀式もあります。
「箸」が「橋」に通じるため、亡き人をこの世からあの世へ、橋渡しするという意味が込められているといわれています。
箸は生まれてから死ぬまで、生きている間もそして亡くなってからも、欠かせないものなのです。
そんな、生活の中で何気なく使われているお箸について、よく調べてみると色々な種類があります。

  • 祭祀用・・・両口箸
    バラ利久箸のように両端が細くなっている箸
  • 食事用・・・片口箸
    角型・丸型、塗り箸などデザインも様々で片方が口に入るように細くなっている
  • 来客用・・・天削箸
    杉やヒノキでできた高級料亭や家庭でのおもてなし用の箸

お箸の正しい持ち方と間違った持ち方

今更ですが、あなたはお箸を正しく持てますか?
正しく、美しい箸づかいは、あなたの大人としての品格をアップさせてくれます。
以下、正しいお箸の持ちかたをお話ししましょう。

  1. 親指、人差し指、中指の3本で持ちます。上から3分の1くらいの部分を持つのが好ましい。
  2. 中指の第1あたりに上の箸が当たるように、親指と人差し指で支える。
  3. 下のお箸は親指と中指で支え、薬指の第1関節に当てる。
  4. 箸を動かすのは中指で、上の箸に着けて開いたり閉じたりできる。

お箸の持ち方が正しいと、お料理を挟んだり、つかんだり、切ったりするのが容易にできるので、食事が楽しくなります。
美しい箸の持ち方で、より一層美味しい食事を召し上がってください。

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お箸のマナー

嫌い箸ということばを知っていますか?
食事中に人を不快な気持ちにさせるような箸の使いかたを 嫌い箸(きらいばし) と呼んで、マナーが悪いと思われます。
ここでは、そんな「嫌い箸」について、主なものをいくつか挙げておきます。

  • ねぶり箸・・・箸についたものを口で舐めること
  • 箸渡し・・・・箸と箸で食べ物のやり取りをすること
    (火葬場での骨を拾う動作を連想させるので忌み嫌われる)
  • そら箸・・・・食べ物を箸でとっておいて、食べずにもどすこと
  • 握り箸・・・・箸を握って持つこと
  • 二人箸・・・・食器の上で二人で一緒に料理を挟む事
  • 刺し箸・・・・料理に箸を突き刺して食べること
  • 迷い箸・・・・料理の上で、どれを食べるか迷って箸を動かすこと
  • 指し箸・・・・食事中に箸で人や物を指すこと
  • たて箸・・・・ご飯などに箸を突き刺して立てること

以上、気を付けたいですね。
知っておくと礼儀を知っている日本人として尊敬されるのではないでしょうか。

お箸を左手(左利き)で持つのはタブー?

私の妹は左利きです。
なんでも利き腕は左ですが、お箸は右で持ちます。
それは、幼いころ、保育園でお弁当を食べる時に、左の席に座っているお友達と箸と箸がぶつかってしまい、自分で恥ずかしいと思ったようで、信仰心の篤い祖母が、妹に右手でお箸を持つよう直させたのです。
先にお話しした、神様に供物を召し上がっていただくために、右利き用としてお供えしたことから、左利きは縁起が悪いと思われていました。
また、右利きとは並べ方なども正反対になるので不便な面も多くあります。
それで、将来困らないようにと、右利きに直す人も多かったのです。
例えば、TV番組やCMなどでお箸を使うシーンでは、左利きのタレントは、その時だけ右利きに直したりする事があるようです。
公では、やはり右利きがセオリーなのかもしれません。
しかし、今では左利き用のお箸もありますし、左利きも個性として捉えられるようになり、昔ほど珍しくなくなりました。
価値観も宗教も多様化している現代では、その人の本質が変わるわけではないので、左利きのままなのか、右利きにするかは自由でいいのではないかと私は思います。
大切なのは、右利きか、左利きかではなく、生きる姿勢ではないでしょうか?

最後にまとめ

物を食べる(食する)という行為は、人間にとって生きるための行為でもあります。
日本が箸の文化を取り入れたのは、飛鳥時代、大化の改新の頃だと言われます。
食事の道具を手に入れることで、食文化が一気に豊かになったのでしょう。
何千年も前からお箸も、お箸を使う食文化そのものも殆ど変わっていません。
こうしてお箸は、日本の食文化を支え、大きな役割を果たして来ました。
今回は、そんなお箸の話をして来ました。お箸の種類や、正しい持ち方、お箸を使う時の正しいマナーや、また左利きのお箸はタブーか?などについてお話してきました。
たかが箸、されど箸。ですね。

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