お正月の遊びのひとつ「かるた」。
「かるた」に似たものに「百人一首」があります。
高校生の時、百人一首を一生懸命暗記したのを憶えています。
中でも、「待賢門院堀河(たいけんもんいんのほりかわ)」の詠んだ、
「長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は 物をこそ思へ」
の、歌が特に気になりました。
今回は、かるたと百人一首の違いについて、遊び方も紹介!
さらに、気になる起源にも迫ってみましょう!
かるたと百人一首の違いは?
まず、かるたと百人一首って何が違うと思いますか?
百人一首は百人の歌人の歌を集めたもので、かるたは「あいうえお・・・」など、頭にその文字がついたもの?そこでしょうか?
かるたは、(歌留多・加留多・嘉留太・骨牌などの漢字を充てますが)カードを使って、主にお正月に遊ぶ室内遊具のことをいいます。
元々はトランプなどのカードゲーム一般を指しましたが、現代では、花札や、読み札にあわせた絵札をとって、その枚数を競うゲームのことを「かるた」と呼んでいます。
一般的に「かるた」には、文字札と絵札があり、あいうえお46枚ずつの札があり、一音につき一セットの読み札と、取り札が用意されています。
文字札と絵札の違いをお話ししましょう。
- 文字札(読み札)
取り札の絵の内容を書いた短い文章が書かれており、読み手が声に出して読みます。 - 絵札(取り札)
読み札の内容を描いた絵と、読み札の短い文句の頭文字がひらがなで目立つように書いてあり、読み札を読むのに合わせて、取り人が手を出して札を取ります。
百人一首の場合は、読み札には短歌が書かれ、取り札には下の句が書かれています。
百人一首も「かるた」の仲間ですが、100人の歌人の和歌が、ひとつずつカードに書かれています。
大きな違いは、読み札が短歌であるという事です。
ですから、上の句と下の句を知っていなければゲームが出来ないということになります。
文字かるたが46枚なのに比べて、百人一首は100枚です。
かるたと百人一首の遊び方
かるたの遊び方
①かるた取り
一般的なかるたの遊び方ですが、取り札の表面を広げて置き、読み札は山にして重ねます。
読み手が1枚ずつ読みあげ、それ以外の人が、読まれた札と対になる取り札を探し、早く探してその札を触った人に取り札をもらう権利が生じます。
読み札と取り札が終ったら、どのくらい取り札を持っているか数え、多い人が勝ちです。
ことばや文字を覚えるのに、とても効果的です。
②逆かるた
文字札(読み札)を広げて取り札(絵札)を山に重ねます。
参加者全員が順番に山の取り札をひき、引いた取り札の文字札(読み札)を探して取っていきます。
山札が終った時に、たくさん取り札を持っている人が勝ちです。
百人一首の遊び方
①かるた取り
一般的なかるたの遊び方と同じですが、読み手が和歌の上の句を1枚ずつ読みあげ、それ以外の人が読まれた和歌の、下の句の書かれている取り札を探して取ります。
和歌を憶えているとかなり有利です。
②源平合戦
読み手以外の人を2チームに分けます。
取り札を50枚ずつ分け、それぞれ3列にして、自分の方に向けて並べます。
通常のかるた取りと同じように読み手が上の句を読み、その下の句のかるたを取っていきます。
自分のチームの前にある札を取った場合は、自分のチームの札になりますが、相手のチームの札を取った場合は、並べてある自分のチームの取り札を1枚相手チームに渡します。
間違えた札に手をついてしまったら、相手の札を受け取らなくてはならなくなります。
先に、チームの前に並ぶ取り札が無くなった方のチームが勝ちです。
③坊主めくり
読み札(人物が描かれている札)のみを使用します。
札を全て裏返し、重ねた山札を作り、参加者が順番に上から1枚ずつ引いていきます。
札を引いて、殿(男性)の絵札の場合はそのまま自分の手札としてもらいます。
札に僧侶(坊主)の場合は、手札全てを捨て、重ねた山札の横に置きます。
絵札が姫(女性)の場合は、山札の隣の捨てられた札すべてをもらうことができます。
山札が無くなった時に、札をたくさん持っている人が勝ちです。
上のルール以外にも、特別な絵札に特別なルールを作って、楽しむことができます。
楽しいゲームがありますね。
百人一首も「坊主めくり」なら、歌を知らなくても一緒にできますね。
かるたと百人一首の起源
かるたの起源
「かるた」の語源はポルトガルだそうです。
ただ、「かるた」に似た遊びは、平安時代の二枚貝の貝殻をあわせる遊び「貝覆い(貝合せ)」のようです。
「貝合わせ」とは、二枚貝をふたつに分けて、その片方を探すといった遊びですが、この「貝覆い」の遊びが、ヨーロッパからの「カード合わせゲーム」と融合されて、元禄時代頃に今日のような遊び方となりました。
日本の「かるた」は、16世紀末頃、筑後国三池(現在の福岡県大牟田市)で、作られたそうです。
古典的なのは、「いろはかるた」です。
それは、ことわざを使っていますが、内容は地域で異なっているようです。
地方に広がってからは、その地方独自の特色も表れ、「郷土かるた」も各地に存在しています。
「犬も歩けば棒に当たる」で始まるものは、「江戸かるた」(犬棒かるた)です。
百人一首の起源
「貝合わせ」の遊びが、宮廷の人々のあいだでは、貝に歌や絵を書いて遊ぶようになっていきました。
それが「歌合せ」という、いろいろな貝にそえて和歌を詠み、その和歌を競い合うようになったのです。
その後、その遊びが「歌貝」というものに発展します。
「歌貝」では、貝の形をした札が、上の句、下の句それぞれ100枚あって、現在の「かるた取り」の遊びと同じになりました。
戦国時代になると、百人一首が「かるた」として遊び始められますが、はじめは宮中とか諸大名の大奥などで行われ、それが年間行事となったようです。
この時代の「かるた」は、まだまだ庶民の間では馴染みの薄いものでしたが、江戸時代に入り、木版画の技術の発展や、南蛮渡来の「かるた」を取り入れることによって、庶民の中に徐々に広まっていきました。
その後、「和歌かるた」と言えば「小倉百人一首」のことを指すようになり、庶民にも広く親しまれる遊びとなりました。
最近では「小倉百人一首」を応用した、「五色百人一首」というものも現れました。
「かるた」も「百人一首」も起源は「貝合わせ」という遊びが起源だったようですね。
まとめ
今回は、お正月の定番の遊び、「かるた」や「百人一首」について、「かるたと百人一首の違いは?あそびかたと起源もしりたい」ついてお話してきました。
「かるた」と「百人一首」の違いは、「かるた」は文字で47枚。
「百人一首」は和歌がかかれていて100枚のカードでした。
遊び方については、「かるた」は、文を読んでその頭文字の書かれたカードをとるというのが一般的。
「百人一首」は、「読み札」という、上の句の書かれた和歌を詠み、下の句「取り札」の書かれた札を取るのが一般的な遊び方ですが、カードの絵を活かした「坊主めくり」や2つのチームに分かれて戦う「源平合戦」などの遊びもあります。
起源は、「貝合わせ」という、貝の上と下を合わせる遊びでした。
一般庶民の「かるた」は江戸時代から「いろはかるた」が始まりですが、「百人一首」は、宮廷での、歌詠みとして進化していったようです。
お正月の遊びとして、今もなお受け継がれる「かるた」は、日本の文化そのものでした。