電話の時の「もしもし」の意味とマナー

携帯電話やスマートフォンが一人に1台近いシェアを広げる中、ここ最近の通信業界の発展は著しいですね。
特にこの50~60年では日進月歩の進化を遂げています。
私が幼いころは、有線といわれる大きな箱型のスピーカーに、円錐型のイヤフォンを使いながら話をする機械が近所の家にあって、何か用があるとそのお宅まで行って電話したのを憶えています。
そのうち一家に一台黒電話が置かれるようになり、公衆電話が町のあちこちに置かれ、やがて持ち運びや車載できる重い充電器の電話が出来て、ポケットベルが拡がり、それから携帯電話の時代が始まりました。
当時はワイヤレスの家の電話器くらいの大きさで、アンテナを延ばして電話しなくてはなりませんでした。
そこから20年であっという間。いまやスマートフォンが当たり前の時代です。
でもそんな電話の進化の中でも変わらないもの・・・なんだと思いますか?
実はそれが、電話の冒頭のことば。「もしもし」なんです。

フクちゃんフクちゃん

この「もしもし」について考えたことはありますか?
今回は「もしもし」の意味について。電話のマナーの個人編。ビジネス編。など、今さら聞けない電話のことをお話ししていきましょう。

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電話の「もしもし」の意味って何?

電話をかけて相手が出たら先ず「もしもし」ですよね。
この「もしもし」は、江戸時代に「申し」と使っていたことばが、語源のようです。

電話で話し始める時に、いきなり本題に入るのではなく、これから話をしますよという意味で「申します、申します」あるいは「申す、申す」と言ったのが「もしもし」に変わったそうです。
そしてこの「もしもし」は、実は1913年(大正2年)の流行語だそうです。
当時、傲慢極まりなかった巡査の態度を改めるべく、それまでの「おいおい」や「こら」など、民衆に対して高圧的だったことばを、丁寧に「もしもし」に改めるようになり、それがとても話題になったのでしょう。
それから現在に至るまで、「もしもし」に代わることばがありません。
「もしもし」が電話の代名詞のようになりました。

電話のマナー 個人編

先ずは、会社から個人宅へかける場合のマナーについて、あまり知られていないかと思いますので知っておくと便利です。

①名前を名乗る

個人宅へは、いろいろなセールスや勧誘の電話が多いため、すぐに名乗ってこない方も多いため、まずはこちらから名乗るようにします。
「〇〇と申しますが○○様のお宅でしょうか?」

②出来るだけ早く本題を伝える

先方がどんな状況かわからないので、すぐに本題に入る方が迷惑にならないで済みます。
また、「今、少しお時間いいですか?」など聞いてから様子をみて本題を話したり、或いは忙しい事もあるので、再度かけなおしたりするのも気配りかと思います。

③大切な電話は固定電話へ

親しい人や急ぎの連絡にはついつい携帯電話にかけてしまいますが、周囲の雑音や電波状況など、どんな場所でどんな状況に居るかわからないので、重要な話はなるべく固定電話にかけるようにしましょう。
家の電話だとある程度落ち着いて話ができるし聞けるメリットもあります。

④電話は掛けた方から切る

会話中に電話が切れてしまったら、掛けた方から再度かけ直すのがマナーです。
また、電話を切るときは「失礼します」などの挨拶の後も、すぐに受話器を置いたり、携帯をプチッと切るのは失礼です。
一呼吸置いてから切るようにしましょう。

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電話のマナー ビジネス編

次は、ビジネスの相手と電話で話す時のマナーについてまとめてみました。
電話対応は、会社の顔でもあります。
きちんとした応対ができるように参考にして下さい。

①電話は3コール以内で出ること

デスクワークなら当然3コール以内で電話はとれるはず。
それ以上待たせたら「お待たせしました。○○会社です」と一言加えましょう。
相手の方の印象もグーンとアップします。

②部署まできちんと伝える

「○○会社の○○部(〇〇)でございます。」
私が受付をしていたころは、名前まで名乗るようにと教えられましたが、部署まではきちんと伝えましょう。

③相手が名乗ったら復唱する。

「はい、○○会社の○○様ですね。」「いつもお世話になっております。」
「少々お待ちください。」「申し訳ありませんが、あいにく〇〇は外出しております。」

④外部の方から社員の携帯番号を聞かれても勝手には教えない。

対応例は次のとおりです。
「よろしければご用件をお伺いいたしますが。」又は、
「こちらから、〇時頃、折り返しお電話致しますが、よろしいでしょうか?」
「ご連絡先のお電話番号をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「ありがとうございます。○○○-○○○-○○○ですね。」

⑤用件を聞いたら必ず復唱し、メモをとる。

「はい、ご用件を確認致します。(復唱)ですね。かしこまりました。私〇〇部の○○が確かに承りました。」

⑥電話を切るときも相手が切ってから。

相手の受話器を置く音を聞いてから電話を切りましょう。

最後にまとめ

日本で初めて電話交換業務が行われたのは、明治23年で、東京・横浜間です。
それが現在の日本電信電話株式会社 (NTT)、NTTグループの前身で、略称は「電電公社(でんでんこうしゃ)」です。
女性たちが安全で安心して仕事ができる、最高の職場でした。
電話交換業といえば1945年の女性電話交換手の哀しい集団自決事件、「真岡郵便電信局事件」を忘れるわけにはいきません。
太平洋戦争末期の樺太の戦いで、疎開命令が出たにもかかわらず、通信という大事な仕事をしているという責任から残留して業務を続け、ソ連軍との抗争の中、女性交換手10名が自決を図りました。
当時、情報を得るのが電話のみという時代で、電話交換は、インフラの整った現在とは比べ物にならないくらい、必要で大事なものでした。
今回は「もしもし」から、電話の歴史を振り返ってみました。「もしもし」の意味について。電話のマナーの個人編。ビジネス編。など、参考になったでしょうか?
情報がたやすく手に入り、通信も便利な現代の陰には、長い日本の歴史があることも思い出していただければ嬉しいです。

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